[司法書士試験]なぜ嫌らしいひっかけをたくさん出題するのか



一言で言えば、「実務で必要な能力だから」

 

補助者の経験のある受験生なら、なぜ不登法書式で「名変」を抜かしてはいけないのか、商業登記書式で「登記すべきでない事項」を問われるのか、わかると思います。

 

それぞれ簡単に説明してみたいと思います。

 

例1.名変を見落とすとどうなるか

法務局に提出する申請書に間違いがあって、それが字句の訂正等の簡単に是正可能なものであれば「補正」ですみます。


しかし、名変の見落としは補正で対応することはできず、「取下げ」が必要となります。

 

これは、各申請書には受け付けられた際に「受付番号」が振られますが、後から遡って受付番号を挿入することができない登記制度になっていることが理由です。

 

名変を抜かしたことが判明すると、取下げの後、すぐ名変と連件で再申請することになります。

対抗要件の問題もありますし、事態が判明した時期によっては受付年月日が変わってしまうので、大問題です。

 

名変漏れは登記簿の住所と、住民票の住所を確認するだけで防げるミスなので、それを怠っているうちは半人前、という印象ですね。

法務局に対しても恥ずかしいミス、という感じ。

 

そういう事情があるので、書式においても枠ズレは大罪であり、採点してもらえない、という説が有力説として語られるわけです。

 

例2.商業登記でお客さんの作った議事録を添付して登記する場合

議事録に記載すべき内容をお客さんからヒアリングし、司法書士が議事録を作成するパターンがうちの事務所では多いのですが、会社の方が作った議事録をそのまま使うこともあります。


きちんと作ってあるように見えることも多いのですが、決議要件だとか、任期満了の記載があるかとか、就任承諾の記載があるかとか、結局、試験で問われるような部分と同じところを司法書士側でチェックする必要があります。

 

定款や就任承諾書が足りていなくても名変漏れのように取下げが必要な事態にはなりませんが、お客さんに追加で押印をお願いしなければならなくなります。

 

登記のプロとしては、必要書類は委任状と一緒にもらっておくのが基本だと思いますので、自分のミスで忘れた書類を追加でお願いするのは格好悪いです。

あまりしょっちゅうだと「本当にこの事務所で大丈夫かな?」と思われかねません。

 

そういう実情があるため、「一見するとちゃんとしてそうに見える書類」の不備を見抜く力は実務でも必要です。試験でも、必要だからそういう力を試しているのだと思います。

 

うちの事務所では、商業登記といえば役員変更がメインですが、商業登記の書式でもほぼ毎年、役員変更は論点の一つを構成しています。

それはひとえに、やはり実務でよく触れることになる論点だからだと思います。

 

「司法書士試験は実務家養成試験だ」という表現がされることがありますが、試験でわざわざ手の込んだ罠を張ってあるのは、単なる試験委員の嫌がらせではなく、実際に実務に就いてからも、そういう論点に足元をすくわれるからです。

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